労働裁判例:川義事件 従業員への配慮を怠った安全義務違反 労働契約法
たいへんだーーぁ
たいへんだーーーあ
友達の働いているスーパーの近くで、
強盗事件が多発しているよーお。
それなのに、
夜もワンマンでシフトに入ってるう。
ブラック企業や、
サービス残業や。
強盗きたらあぶなーい。
*防犯ベルを置いたり、対策してるのぉ?
*なんにもしてないみたいだよ。
会社が安全義務を怠ったという裁判例がありましたが、ぴったりの例だと思います。
同じような裁判例を知った上で、会社に要望したほうがいいぜの。
ではご紹介します。
*お願いします。
*お願いします。
主な登場人物を初めにご紹介します。
宝会社に勤める、新入社員、ぼう君と、
先輩、かっぴぎさんのお話です。
宝会社は、ビジネス街にあり、夜は人通りも少なく、大きな音を立てても、すぐには気づかれない
場所にあるにもかかわらず、宝会社は夜でも、高価な反物、宝石毛皮などが会社内にあり、
反物は陳列されたまま、毛皮もハンガーにかけて、
展示したままで、犯罪者に狙われても仕方ない。
*名前がしっくりしないぜの。
心配しないでください。先輩のかっぴぎさんは、
すぐに会社を辞めますので。
*そー言う問題じゃなくて、
*ネーミングセンスのぜ。
*ぼう君とかっぴぎさんって
*何人かわからないーーーい。
ぼう君は、昭和53年3月岐阜県立高等学校を卒業しすぐに宝会社に入社しました。
宝会社本社4
4階の寮に住み込んで、仕事をしていました。
営業社員として入社しましたが、「見習い」と呼ばれ、
営業活動を見習うほか、研修を受けたり、雑用をしていました。
先輩のかっぴぎさんは、昭和52年3月岐阜市内の
*ぼうくんと同じ岐阜なんだねぇ。
*学校はちがうみたいだね。
高等学校を卒業して、
宝会社に入り本社の寮に入っていましたが、
*ぼうくんと同じ寮だよね。
*同じと思うのぜ
7ヶ月後の10月頃に寮から一般のアパートに引っ越しました。
*本社と同じ建物だと
*落ち着かないのぜ。
引っ越ししたので、自宅から宝会社に、通勤していましたが、
かっぴきさんは、無断欠勤をすることが多く
*無断欠勤はだめでしょ。
上司から注意され仕事が嫌になり
宝会社を退職しました。
*完全に逆ギレですね。
その後、呉服店に務めたようですが、
しばらくして退社、
*こういうタイプは
*仕事続かないな。
宝会社退職から5ヶ月後の7月頃からは、無職になってしまい、さらに、お金にも困ってしまいました。
かっぴぎさんは宝会社に勤務していた昭和52年9月頃から
宝会社の商品である反物類(着物などの素材)を盗み出しては換金していました。
*勤務してた時からやっていたのか。
当然の事、給料と盗んだ物のお金、両方入って来なくなりますので、
対策をねりました。
*対策?
犯罪はやめられる訳もなく、退社してからも、夜間に会社に宿直している
元同僚や、同僚に紹介してもらって仲良くなった新入社員を訪ねていき、
みんなで、雑談したり、飲食をしたりしながら、
隙きを見ては、反物類を盗んでいた。
*これが対策か。
*盗むために
*仲良くしてたんだろうね。
そして事件の起きた昭和53年8月13日午後9時頃、かっぴきさんは、
会社の反物などを盗もうと思い、会社に向かった。
宝会社には、夜間の出入り口として、小さな潜り戸があったが、のぞき窓やインターホンは無く、ブザーのみが設置されていて、
ブザーが鳴ると、潜り戸を開けて、確認しなければ、誰が来たかわからない。
もちろん防犯カメラや、防犯ブザーなどの、防犯設備もない。
この日は、ぼう君が宿直の担当であり、
宿直していた。ぼう君が宿直勤務していると、潜り戸のブザーが鳴った。
*かっぴぎさんが泥棒しにきたのぜ。
潜り戸を開けて確認すると、かっぴぎさんだった。かっぴぎさんは「トイレを貸してくれ」と言ったので、ぼう君はトイレを貸した
トイレの後、かっぴぎさんが、帰ろうとしないので、「今日は社長がもうすぐ出張から帰ってくる」と
嘘を言って帰ってもらった。
結果、かっぴぎさんは、何も盗むことができなかった。
ぼう君が、そのまま当直の仕事をしていると、また、ブザーがなった
*ひきかえしてきたのかなぁ
確認しに行くと、かっぴぎさんだった。「社長は帰った?」とかっぴぎさんが聞いてきたので
「かばんを置いてすぐ帰った」と嘘をついた。するとかっぴぎさんが、出入り口から強引に入ってきた。
かっぴぎさんが話しかけてきても「あんたに話すことはない」と冷たい態度をとった。
かっぴぎさんは怒り出し、ぼう君に商品展示場の畳部分に「正座しろ」と言い、
正座をしたぼう君にかっぴぎさんが色々と話かけると、
・あんたが来ると反物がなくなる
・あんたが来たことがわかると僕が叱られる
と、冷たい態度でぼう君は言い放った。
かっぴぎさんは憤慨するとともに、ぼう君にこれまでの犯行がバレていることを知り、
どうしようか考えていたが、ぼう君が、このまま見逃して
くれそうもないので、
ぼう君を殺害するしか無いと考え、近くにあった荷造り用ビニールテープ紐を取り出し、
首に巻き付けて両手で締め上げ、仰向けに引き倒したうえ、
さらに、車内にあった、木製バットで顔面を殴ったりして殺害後
反物などを盗んで、自動車で逃走した。
以上の件で、会社にも安全義務違反があるとして、損害賠償を請求した。
雇用契約は、仕事をしてもらい、給料を渡すという、契約ですが、スタッフは、会社の指定した場所で、会社の用意する設備や器具を使って仕事をするので、会社は、給料の支払い以外にも仕事をするための場所や設備を用意し、会社は指示をし、仕事をする上でのスタッフの命や身体などを危険から保護する安全義務もあるとするのが、普通で、この内容を今回の事件に照らし合わせれば、宝会社はぼう君に宿直の勤務を命じ場所を宝会社本社、とし、就寝場所を一階商品陳列場と指示していたのだが、強盗などが容易に侵入できなくしたり、もし、侵入された時には、強盗から身を守れる設備をつくらないといけない。もし、このような設備を整備出来ない場合は、宿直員を増員するとか、宿直員に対する安全教育を行うなど、する義務がある。
本件の事実関係からすると、本社には、昼も夜も高価な商品が開放的に陳列されていてされていて、休日や、深夜に、強盗などが侵入する恐れがあった上に、現に紛失事故や盗難が発生したりしていた。しかも、侵入した強盗が当直員に発見された場合には、強盗が危害を加えることが十分に予想できたにも関わらず、宝会社では、のぞき窓、インターホン、防犯チェーンの設備や、強盗からの危害から身を守る為に
役立つ防犯ベルなどの設備も設置することなく、当直員をひとりにせず、増員したり、当直員に十分な安全教育などをすることもなかった。この事実からすると、安全配慮義務を破っていたとしか言えない。
すべての事実からすると、安全義務をしなかったから起きた事故であってこの事故によって被害をうけた者に、対し、損害を賠償すべきと言える。
*早速友達におしえてくるー--う。